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生田正治団長の下の第1次FECニュージーランド経済事情等調査団が多大の成果をあげて帰国する。

ニュージーランド 海外訪問団

2010年03月19日更新

ウエリントン、クライストチャーチ、オークランドでキー・ニュージーランド首相をはじめ政府要人、経済人と会談。

生田正治団長(左)とキー・ニュージーランド首相

生田正治団長(左)とキー・ニュージーランド首相

キー・ニュージーランド首相との会談の様子

キー・ニュージーランド首相との会談の様子

第1次FECニュージーランド経済事情等調査団一行

第1次FECニュージーランド経済事情等調査団一行

とき

平成22年(2010)3月13日(土)〜3月19日(金) 7日間

ところ

クライストチャーチ、ウエリントン、オークランド

概要

生田正治団長の下の第1次FECニュージーランド経済事情等調査団が多大の成果をあげて帰国する。

内容

目 的



ニュージーランドと日本との協力のあり方について要人との意見交換


概 要



民間外交推進協会(FEC)は、生田正治FEC副会長((株)商船三井最高顧問)を団長とする第1次FECニュージーランド経済事情等調査団を3月13〜19日ニュージーランド(NZ)へ派遣した。FECは昨年キー首相、イングリッシュ副首相兼財務相、マカリー外相の来日時に本協会役員との懇談会を開催したほか、駐日NZ大使館と共同で「食のシンポジウム」を催すなど、NZと極めて親密な関係にある。特に初来日のキー首相との午餐会において、キー首相から本協会に対してNZ調査団の派遣方熱心な招請があり、今回の訪問となった。両国の政治、経済関係は良好であるが、日本の経済停滞を反映し、近年両国の貿易・投資交流は低調となっており、今次調査団の目的も両国間の経済交流の推進策を探ることにあった。

 一行はクライストチャーチ、ウエリントン、オークランドの3都市を訪問し、首相、主要閣僚等の政府要人、NZ企業、経済団体、大学の代表者等と精力的に面談。対日経済関係の現状等の説明を受け、潜在的なビジネス拡大策につき率直な意見交換を行い、酪農、畜産、水産、資源エネルギー分野で具体的提案を行った。官民を問わずNZ側からは日本とのFTA(自由貿易協定)締結への強い期待が寄せられ、FECとしても日本政府や関係先への働きかけが必要と思われた。調査団は、生田団長以下、顧問に齋藤正樹前駐ニュージーランド大使、副団長に中垣喜彦電源開発(株)相談役・前代表取締役社長、西山徹味の素(株)技術特別顧問・前代表取締役副社長の他、化学、機械、商社、電力、医薬開発、食品小売、教育等の法人会員各社の関係者により編成された。



【日程】

3月13日、成田空港特別室で結団式を終えNZ航空の夜行便でクライストチャーチへ。14日/午後=バードン・アジアNZ基金会長との夕食懇談会(河合領事同席)。15日/午前=シンレー・ミルク社訪問(マケーナ商品開発部長と懇談、工場見学)、ファイブスタービーフ社訪問(肉牛肥育場視察、ハリソン会長との昼食懇談会)。午後=ソリッド・エナジー社訪問(マセソン再生可能エネルギー部長と懇談)、カンタベリー大学訪問(ジョンソン研究・技術革新ディレクター他と懇談)、NZ航空にてウエリントンへ。16日/午前=ボラードNZ準備銀行総裁と懇談、メリディアン・エナジー社訪問(ラスクCEOと懇談)。午後=キー首相との会談、グローサー貿易相、マカリー外相との会談、髙橋利弘駐NZ大使主催の夕食会。17日/午前=NZ貿易経済促進庁訪問(メイソン長官、マシューズNZ投資部長と懇談)、NZ郵便公社訪問(ボルジャー会長他と懇談)。午後=経済開発省訪問(パークス審議官他と懇談)、NZIBF訪問(ハリソン会長他と懇談、カクテルパーティ)。18日/午前=NZ航空にてオークランドへ。フォンテラ社フェリアーCEOと懇談。午後=オリオン・ヘルス社ライリーCOOと懇談、日本NZ経済委員会訪問(マーティン会長他と懇談)、NZ航空訪問(ネルソン貨物部長他と懇談、機材展示場視察)、生田団長主催夕食懇談会(薗部明史日本ビーチヘッド・アドバイザリーボード議長、福武總一郎(株)ベネッセホールディングス会長、マーティン日本NZ経済委員会会長、石田総領事他同席)。19日/午前=NZ航空機で帰国の途へ。午後=成田空港着。




【団員】

団長=生田正治(株)商船三井最高顧問・FEC副会長

顧問=齋藤正樹前駐ニュージーランド大使・FEC特別会員

副団長=中垣喜彦電源開発(株)相談役・前代表取締役社長、西山徹味の素(株)技術特別顧問・前代表取締役副社長

事務局長=田丸周油研工業(株)常勤監査役・FEC常任参与

団員=▽今田潔信越化学工業(株)顧問、▽和里田勝弘リンナイ(株)監査役、▽小塚睦実三菱商事(株)顧問・前代表取締役常務執行役員、▽奥山渉電源開発(株)国際事業本部審議役、▽関利彦(株)新日本科学代表取締役副社長CFO、▽石井哲男東京電力(株)燃料部部長代理、▽寺嶋晋イオンリテール(株)食品・デリカ商品本部生鮮商品部長、▽大田原真美(学)青山学院常任監事、▽有本龍平オーストラリア三菱商事会社取締役副社長、随行員1名




クライストチャーチで乳業、食品、電力企業、大学を訪問

 一行は3月14日〜15日クライストチャーチを訪問。14日のバードン・アジアNZ基金会長との夕食懇談会では、日本との合弁事業推進への期待が述べられた。15日の三井物産出資先のシンレー・ミルク社では工場見学と乳業事業の説明を受けた。伊藤ハム出資先のファイブスタービーフ社では日本向け肉牛の肥育場を視察し、ハリソン会長とステーキの昼食をともにして懇談した。ソリッド・エナジー社では再生可能エネルギー事業の説明と意見交換、カンタベリー大学では大学概要説明の後教育交流の意見交換を行なった。 




ウエリントンで首相、外相、貿易相は対日FTAを強く要望。調査団は食品、水産協力を具体的に提案。

 調査団はウエリントンへ移動し、16日はNZ準備銀行総裁と経済情勢、金融政策について懇談した後、メリディアン・エナジー社を訪問、電力事情と協力可能分野について懇談した。キー首相を表敬訪問。首相はFTAの早期交渉開始を強く期待し、日本の高度技術を利用した高付加価値商品の共同開発や、観光、食品、環境エネルギー、製造業分野での経済交流拡大を要望した。グローサー貿易相、マカリー外相との会談では、首相以下閣僚訪日時のFECのもてなしに謝意が述べられ、FTAの詳細な説明の後、上層中流階級向け商品開発への日本の協力が要請された。髙橋駐NZ大使主催夕食会で、大使からは「対日FTAは豪州と一緒の交渉を」と岡田外相へ説明した旨紹介があった。17日のNZ貿易経済促進庁との意見交換では、調査団から食品、水産分野における具体的提案を行なった。NZ郵便公社ではボルジャー会長から郵政事業の現状の説明を受け、経済開発省では資源エネルギー、電力分野における協力可能性につき懇談した。NZIBFではハリソン会長他と懇談、カクテルパーティで親睦を深めた。




オークランドで経済団体と交流促進の意見交換

 18日オークランドへ入り、世界最大の乳製品輸出企業フォンテラ社フェリアーCEOと懇談。FTA締結による高関税削減効果と、日本企業との共同製品開発への期待が述べられた。オリオン・ヘルス社では医療事情と事業内容の説明を受け、日本NZ経済委員会ではマーティン会長他と人的交流、観光分野の協力について懇談した。NZ航空訪問では機材展示場を視察した。ワイナリーでの生田団長主催の夕食懇談会では経済団体の関係者から現地事情の説明を受け、美酒とともに団員は南十字星の夜空を楽しんだ。


(田丸周事務局長・油研工業(株)常勤監査役・FEC常任参与・記)

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