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下條正男拓殖大学教授を講師にお招きして第131回FEC国際問題懇談会を開催

国際問題懇談会

2010年02月03日更新

竹島問題と外国人参政権問題をテーマに講演

講演する下條正男拓殖大学教授

講演する下條正男拓殖大学教授

第131回FEC国際問題懇談会の開催風景

第131回FEC国際問題懇談会の開催風景

とき

平成22年(2010)2月3日(水)12時〜14時

ところ

帝国ホテル東京「北京」

概要

下條正男拓殖大学教授を講師にお招きして第131回国際問題懇談会を開催した。

内容

 民間外交推進協会(FEC)は2月3日、下條正男拓殖大学国際開発学部アジア太平洋学科教授を帝国ホテル東京に招き、4回目となる竹島問題をテーマに第131回国際問題懇談会を開催した。開会に際してFEC評議員会副議長の笹森 清労働者福祉中央協議会会長・元連合会長が、「前回の下條教授の講話に触発されて、小沢現幹事長と中国、韓国との領土問題を話したが反応は薄かった。超党派で竹島、東シナ海、北方領土等の国境問題を議論し、国家的見地から国民の気運を高めるべきだ」と、講師紹介を兼ねて挨拶。懇談会には、埴岡和正FEC常任副会長、荒木 浩東京電力(株)顧問・元会長、中嶋洋平日油(株)代表取締役会長、今田 潔信越化学工業(株)顧問、森元峯夫(株)エスイー代表取締役社長、米澤泰治米澤化学(株)取締役社長ら、FEC役員、会員が多数出席した。下條正男拓殖大学教授は、「竹島問題と外国人参政権問題」と題し、竹島問題の経緯、韓国側の主張、日本政府の対応と現状等について講演を行い、その後出席者と活発な質疑応答が行われた。

講演要旨

 日本全体に領土問題の意識が希薄で危機感を持っている。研究者が少なく北方領土は袴田青山学院大学教授だけで竹島も自分一人だ。韓国から文化侵略されても規制されず、国会議員や学者も影響されている。島根県選出国会議員も効果がなければ動かず、竹島問題は参議院選より扱いが低い。2005年に島根県は「竹島の日(2月22日)条例」を制定したが、日本政府は「島根県が勝手にやれ」と批判的だった。鳩山首相の歴史認識も問題だ。韓国人の外交顧問から聴いた一方的意見を雑誌に発表し、高校教科書解説書への「竹島」明記を避けた。小沢幹事長も韓国で、「日本は騎馬民族に征服され、天皇家の祖先は百済家」と誤解した歴史認識を述べた。

 竹島は1905年島根県に編入されたが、韓国は52年のサンフランシスコ講和条約締結直前に公海上に「李承晩ライン」を設定、領有権を主張し、日本から独立した後54年に竹島を不法占拠し、未解決のまま今日に至っている。2005年に外務省はHPを、以前の「両国の主張併記」から「竹島は日本の固有の領土」と書き換え、08年に「解説書」を刊行した。文科省も教科書に竹島問題を記述し、島根県は「最終報告書」を発表した。反発した韓国は、シンクタンクの設立や国際的広報活動により、「日本は侵略国家」と対日攻勢を強化させる一方、韓流スターの竹島大使起用、不見識な日本メディア、学者、作家への喰い込み等の巧妙な対日工作も進めている。在日韓国民団と公明党のパイプもある。韓国は中国と国境を争っている海底4米の離於島に、海洋研究施設を建設し実効支配を狙っている。竹島はメタンガス60年分、1.2兆円の経済価値があり、韓国は2013年迄に同様の施設を建設する計画だ。

 日韓併合時代、朝鮮半島の人口は13百万人から25百万人へ倍増した。韓国、台湾の近代化は日本の統治効果が大きい。日本に多い在日韓国人の多くは密航者であり、外国人参政権問題とも密接に関係する。北海道教組は昨年12月、「竹島は韓国領」と問題発言した。日本は朝鮮半島の歴史認識を踏まえた外交が必要で、国家主権が不在の危機的状況の打開には、政治家の意識改革と国民への啓蒙が極めて重要だ。

懇談・質疑応答

中嶋洋平日油(株)代表取締役会長:最近日本人の竹島上陸はあるのか。

今田 潔信越化学工業(株)顧問:島根県の漁民等が声を大きく訴えていないようだ。

下條教授:海上保安庁が止めに入るので上陸できない。竹島問題は票にならないので国会議員の関心が低く、県知事も腰が引けている。竹島問題研究会の学者も島根大で疎外されている。

田丸 周FEC常任参与:EU誕生には世界大戦時のドイツの戦争責任が大きく影響した。東アジア共同体を支援する中で、日韓関係の正しい歴史認識の啓蒙活動も必要だ。歴史の日韓共同研究はできないのか。

下條教授:ドイツと異なり日本に戦争責任はない。共同研究について韓国側から提案あったが日本側が断った。国会内にも研究会はない。

宮村 智(株)SBJ銀行代表取締役社長:韓国のプロパガンダがうまかった。日本は戦争の贖罪意識から触れたくないのではないか。国際的第三者の判断に委ねてはどうか。

下條教授:直面する問題故、国際司法裁判所への提訴はマイナスだ。韓国を挑発し証拠を残し、韓国側に反省を迫る方法が重要と考えるが、できる政治家、研究者がいない。韓国に賛同者がいたが自民党の強硬派がつぶした。

埴岡和正FEC常任副会長:朴政権時代は率直な日韓対話ができていたが、その後の政治家の責任は大きい。官民合同で国境問題の勉強会が必要だ。

下條教授:日朝正常化に日本は巨額の経済援助を無心され、北朝鮮が安定すれば韓国に接近しているロシアの南下も進み、韓露経済交流が発展しよう。

山田洋暉(株)クラレ監査役:外国人参政権問題が批准されると竹島は韓国領となる懸念がある。民主党の考える国家主権を問うべきだ。

笹森 清FEC評議員会副議長:内閣国家戦略局の機能が実質不在で、二人の民主党首脳の考えも違う。民主党にはシンクタンクもない。大論争になろう。

(田丸周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役・記)

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