FECがニカラグアよりモラレス副大統領夫妻を招く=有意義な初訪日となった
2009年10月07日更新
10月7日、金川千尋FEC会長主催による歓迎午餐会を催し副大統領がFEC役員とも和やかに懇談
とき
平成21年(2009)10月3日(土)〜10月14日(水) 12日間
ところ
東京、京都と首都圏
概要
モラレス・ニカラグア副大統領夫妻を招いて金川千尋FEC会長主催による歓迎午餐会を開催。
内容
民間外交推進協会(FEC)は10月7日、ニカラグアのハイメ・モラレス・カラソ副大統領を帝国ホテル東京に招き、歓迎昼食会を開催した。昼食会には副大統領夫人、アラナ駐日ニカラグア大使夫妻が同席し、来賓には後藤斎文科相政務官、斎藤伸一駐ニカラグア日本大使が出席した。FEC側は金川千尋FEC会長・信越化学工業(株)代表取締役社長、埴岡和正FEC理事長、FEC副会長の内藤明人リンナイ(株)取締役会長、同田中宏(株)クレハ取締役会長、笹森清FEC評議員会副議長・前連合会長、中曽根悟郎元駐パラグアイ大使らが出席した。モラレス副大統領は初来日で、歓迎昼食会をはじめ10日間の東京滞在中の各地視察等を企画した。招聘は信越化学工業(株)との協賛で催された。
開会に際して金川千尋FEC会長より、「貴国で70年に稼動した塩ビ合弁事業ポリカサ社は、中米一の高収益会社に成長し、多くを学んだ。モラレス副大統領は経済人としても活躍、成果を挙げられた。訪日目的の経済、農業、教育分野の視察ではFECも十分協力する所存。政務官にもご出席いただいており、本日は率直な意見交換と両国関係の更なる発展を祈念したい」と主催者挨拶。続いて政府代表の後藤斎文科相政務官より、「両国間の貿易、技術を含め両国の経済・人的交流は未整備だ。副大統領ご夫妻の訪日を契機に太い絆にすべく努力したい」と来賓挨拶があり、後藤政務官の発声により日本酒で乾杯した。この後、埴岡和正FEC理事長の進行により着席で和食の昼食懇談会が和やかに行われた。
モラレス副大統領:まず、オルテガ大統領と国民から、日本の長年にわたる協力への謝意をお伝えしたい。ニカラグアは独立2百年の若い国。数日間で古都京都と近代都市東京を訪問し歴史を実感した。ポリカサ社の貢献は多大で、信越化学のご支援に感謝する。皆様にもわが国を訪問し国の発展に助言いただきたい。当国も3年前に民主政権が樹立し、個人財産の尊重と治安維持が配慮されている。反与党の私が副大統領に就任したことが、和解と結束を示している。当国の実情と情報には落差があり外国には分りにくい国。日本の累計8億ドルの無償経済協力に感謝している。京都で、「日本は水と人材(勤勉さ、才能)があり教育で培われた」と伺った。今後も貿易、投資、技術、教育面の協力深化を願う。
(副大統領の発声で乾杯)
埴岡和正FEC理事長:政治家、経済人として夫々練達の士と感じさせる名スピーチであった。副大統領とFECは、「不偏不党の政治的立場で反骨の士」という共通点がある。FECは権力も資金もない。あるのは、日本人の心と各界を代表する良識人の輪という財産。常に心に日の丸を立てて事に当たっている。訪日目的の農業は生活安定の基盤であり、教育とは人作りで国作りそのものの基盤だ。FECとしては金川会長の指示もあり、その滞在中は全面的に取り計らいを行う。(出席者を紹介)
笹森清FEC評議員会副議長:豊かだった日本も貧困は世界の潮流に似てきた。新政権とともに反貧困運動を実施している。発起人の一人であった昨年末の日比谷公園の年越し派遣村には、8歳から87歳迄の各分野からボランティア25百人が集まり1週間で45百万円の募金が集まった。垣根を取払いあらゆる分野の協力があると運動の力は大きくなる。同質の協力は和に、異質の協力は積になる。教育は荒れた日本だが、捨てたものではないなと実感した。両国の労働者交流は今だその機会がないので、副大統領のご尽力をいただき交流を進めたい。
埴岡和正FEC理事長:日本の貧困率の上昇は、戦後の教育が「働く喜びや自立心などの基本」をしっかりと教えていないからではないか。雇用機会は多くあるがあれはイヤ、これは自分には適していないなどと就業しないケースも多い。
中曽根悟郎元駐パラグアイ大使:80年代、ニカラグアは内戦中でモラレス氏は反政府運動(コントラ)の総司令官としてホンジュラスから指揮していた。自分は駐ホンジュラス大使で、懐かしく思い出される。今はすべて明白になったが、当時米国はニカラグアの左派政権に対立、イラン向け武器売却代金の一部を、コントラへ資金提供していた。
内藤明人FEC副会長・リンナイ(株)取締役会長:先週、第17次FEC欧州調査団の団長でブルガリア、ポーランド、ウクライナを訪問した。3カ国ともEU加盟等によるロシア依存からの解放効果を喜んでいた。日本は島国大国で外国からの侵攻経験はない。武士道が精神の支柱にあり、ブルガリアでは柔道が奨励されていた。先程の埴岡理事長の話のとおりFECは日本の精神を大切にして今後とも外国との経済、文化、教育交流を深めていきたい。
この後、金川FEC会長とモラレス副大統領の記念品交換、婦人にも記念品を贈った。出席者一同の記念写真撮影が行われた。
(注)副大統領は、オルテガ大統領から鳩山総理大臣宛の親書を携行した。
(田丸 周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役・記)