マクルベク・カマルディノフ駐日カザフスタン大使が第123回FEC国際問題懇談会で講演
2009年07月15日更新
テーマを「世界宗教指導者会議を終えたカザフスタンの政治、経済諸事情」としてFEC役員、会員ら150名が出席
とき
平成21年(2009)7月15日(水) 14時〜15時45分
ところ
帝国ホテル東京「孔雀西」
概要
マクルベク・カマルディノフ駐日カザフスタン大使が第123回FEC国際問題懇談会で講演
内容
民間外交推進協会(FEC)と在日カザフスタン大使館
第123回FEC国際問題懇談会(国問懇)は、FEC役員、会員そして関係者150名が参会して盛会裡に催された。開会に際し埴岡和正FEC理事長は、「ゆるやかな一定の速度での継続しての変化は得てして人間は気づかない。しかし、気づいたときにはすでにゆでがえるでは国家としては取り返しがつかない最悪の事態となる」と今日の日本の危機について警鐘を鳴らした上で、多民族国家のカザフスタンと日本との関係強化の重要性を述べるなど主催者あいさつを行った。
カマルディノフ大使は、埴岡理事長の紹介を受けて「日本の経済、政治、科学分野等の知的な人の集合体として認められているFECの役員、会員を前にして講演できることは大変に光栄だ」と前置きして、世界同時不況下のカザフスタンの現状とその中で発展していることを中心に45分間日本語で講演。引き続いて参会者と質疑応答を行った。
今日世界は数年前は誰もが想定していなかった世界的不況の真只中にある。カザフスタンも当然その影響を受け、その危機克服に向けての政府の国内金融機関への資金供与などの対策を講じている。その対策の基本は「経済・金融分野の安定プログラム」でGDPの10%となる120億ドルの資金が供与された。その結果は、現在においてはインフレ率が低下、経済成長が確保できた。経済対策の中身は賃金向上、奨学金等の国民福祉の向上と将来の経済発展への環境・整備としたものである。厳しい経済環境下であっても世界的な安全と安定のためにも積極的に貢献している。その一つが宗教間、民族間の調和を図るためのバランスの取れた政策を行うことで、その一環として2003年からナザルバエフ大統領の提唱による世界宗教指導者会議をアスタナにおいて開催している。第3回目の同会議は、国連の協力の元に7月1日と2日に開催され日本の神社本庁の代表者が参加。
日本との協力関係は昨年の貿易高が前年比で2倍に増加した。さらには資源開発のための両国間の協力も進んでいる。カザフスタンは一貫して日本の国連安保理の常任理事国入りへの日本の努力を支援してきた。さらに2009年〜2010年の日本の非常任理事国をも支援した。昨年12月に両国間の租税条約が締結され、現在、投資協定と原子力平和利用条約も準備されている。世界的な資源不足のことを考えると、日本にとってはカザフスタンからのエネルギー資源やその他の天然資源調達は大事だと思う。経済協力のみならず両国間の政治関係においても戦略的な経済協力の水準に達するようにすることが重要で今後とも積極的に進めたい。
カザフスタンの国際的なイニシアチブ等と日本のユーラシア外交政策は共通することが多いことを考えると、今後両国の国際協力を一層進展させて、もっと具体化させる必要がある。
お茶を飲みながらの質疑応答は、時間の関係で多くの参会者の質問が打ち切られるほどの質問があった。(次はその主な質問事項で大使が一つ一つに丁重に答えた)
Q:宗教指導者会議の今後の方向付けは何か
Q:経済発展と併せての環境問題対策は
Q:100以上の民族が共生していることは素晴しい。国旗も美しいがその造形の意図は何か
(注) | 会場では同大使館から全出席者に対し日本語の本が各2冊と当日の大使のスピーチ原稿全文(日本語)が配布された。今次国問懇はカマルディノフ大使が7月下旬からの本国への一時帰国を前にしてぜひ開催して欲しいとのFECに対しての協力要請を受けて開催された。 |