安倍晋三内閣総理大臣をお迎えし第176回国際問題懇談会を開催
2014年03月17日更新
とき
平成25年(2013)12月26日(木)13時半〜14時半
ところ
帝国ホテル東京「桜の間」
内容
民間外交推進協会(FEC)は12月26日、安倍晋三内閣総理大臣を主賓としてお招きし「第176回国際問題懇談会」を帝国ホテルで開催した。谷内正太郎内閣官房参与より安倍内閣の外交政策の方向性について講演の後、安倍総理は「安倍外交の課題」を演題に「地球儀を俯瞰する積極的外交展開」について講演を行った。
まず、谷内正太郎内閣官房参与は、第二次安倍政権成立からの1年を振返り、国民が最も望んでいた経済再生と長期政権について、アベノミクスで一定の成果を出し、さらに2020年のオリンピック招致決定もあり、バブル崩壊後長い間見られなかった明るさが出てきたこと、7月の参議院選挙でねじれ現象を解消し、安倍政権が順調に推移していると評価した。
ついで、外交面では、安倍総理が標榜する「地球儀を俯瞰する外交」について解説し、安倍総理が世界全体に視野を広げ、マルチの外交を重ね、これまで25カ国を訪問し、130人以上の首脳と会談をし、戦前・戦後を通じて最も積極的に外交に取組まれた総理であることを強調。地政学的に海洋国家である日本は、他の海洋国家と協力し合って海の国際法、ルールを守っていくSea Power Networkをいろいろな形で築いていくべきであること、日本という国家が建国以来育んできた世界に誇るべき文化、伝統、国民性等を守りつつ、国際的に受入れられる普遍的価値、即ち、民主主義、人権、自由、法の支配といった価値観を共有する国々と連携を図っていくべきであることなど「地球儀を俯瞰する外交」の中身について説明があった。
その他、安倍政権として取り組んでいることとして外交・安全保障の体制整備を挙げ、先に策定された「国家安全保障戦略」と「国家安全保障会議(NSC)」、谷内氏自身が初代局長に就任する「国家安全保障局(NSA)」についての説明があった。
谷内氏の講演終了と同時、満場の拍手喝采で迎えられた安倍総理は、予定の時間を大幅にオーバーしながらも、自身の外交の課題について力強く講演された。1年前に第二次安倍内閣が成立した時は、経済の底が抜けそうな危機的な状況にあったこと、そしてリーダー不在の中で国際的に日本のプレゼンスが低下していたことから、外交力の源泉である強い経済を取り戻す必要があると考え、三本の矢、所謂「アベノミクス」でデフレ脱却、経済成長に挑んだことと成果について具体的な数字を織り交ぜながら説明があった。
安倍総理自身からも「地球儀を俯瞰する戦略的外交」について言及があり、二国間の問題についてもマルチの外交により足場を固め発言力を強くして外交を展開して行きたいとの決意を示された。
日米間の課題として普天間の移設問題を挙げ、米国からも日本政府の努力に感謝し、信頼を深めてくれていることを披露。
年明けにはコートジボアール、モザンビーク、エチオピアなどアフリカ諸国を訪問することに触れ、外交的にはフロンティアであるアフリカにも安倍政権として積極的に取り組んでいくことを表明された。特に民間外交の成果のエピソードとして、「日本の企業に投資頂いて、日本人と一緒に働くようになり、初めて企業が倫理と道徳を持ち込んでくれた。私たちから絞りとるのではなく、働く意味、喜びを教えてくれたのは日本人が初めてだ。」と、アフリカのある国の大統領から聞き大変感激されたことを披露した。
また、日本と同じ価値観を持つ国々、自由と民主主義、基本的人権、法の支配、この価値を共有する国々を大切にして仲間にしていく外交、価値観外交を展開し、国際協調に基づく積極的平和主義の旗をかかげ、今まで以上に世界の平和と安定に貢献をし、我が国の安全を守って行かなければならないとの決意を表された。