世界規模の環境対策望む
2006年12月27日更新
とき
2006年12月27日(水)
概要
グレアム・フライ駐日英国大使の2007年新春あいさつ
内容
グレアム・フライ駐日英国大使
皆さま御健やかに新春をお迎えのことと存じます。
2007年を迎え、共通するさまざまな問題に取り組むため、日英両国の関係はますます緊密なものになっていくと思われます。安全保障問題では、北朝鮮によるミサイル発射や核実験をきっかけに、大量破壊兵器の拡散防止の必要性を私たちは再認識いたしました。また、イラクにおける問題の長期化によって、国際テロの脅威と、中東の安定・民主化の難しさが明らかになりました。国際情勢におけるこのような諸問題の解決に向けて、今年も更なる努力が必要です。
グローバル経済においては、日本の景気回復は続いており、主要国の経済も拡大が続いています。中国やインドのような国々の発展は、世界の繁栄にはずみをつけ、多くの人々を貧困から救っています。しかし、WTOのドーハ・ラウンドではあまり進展が見られず、昨年7月から交渉は中断しています。現在、多くの国が、二国間自由貿易協定締結の話し合いを進めています。これらの協定は、ある程度貿易の自由化を促進しますが、WTO加盟国による世界レベルの新協定の代わりにはなりえません。特に、最貧国の多くは、世界貿易に参加し、輸出品の生産をするために、私たちの協力を必要としています。
また、気候変動問題に取り組むため、私たちは確固たる対策をとる必要があります。このまま温室効果ガスの排出を続けると、世界経済に対するコストは、世界のGDPの5 〜 20%に達するだろうと予測されています。しかし、今から10 〜 15年のうちに取り組めば、費用は世界のGDPの1%程度ですむとも予測しています。手遅れとなる前に、人類が世界規模の対策を行うためには、各国首脳のリーダーシップが必要です。
本年創立25周年を迎える、FEC民間外交推進協会のさらなるご発展と皆さまのご健勝をお祈りいたします。