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「米国大統領選の行方と日米関係」(竹田圭吾 ニューズウィーク日本語版編集長)

アメリカ合衆国 日米文化経済委員会

2007年04月05日更新

第4回FEC米国問題研究会 FEC日米文化経済委員会

第4回FEC米国問題研究会で講演する竹田圭吾 ニューズウィーク日本語版編集長

第4回FEC米国問題研究会で講演する竹田圭吾 ニューズウィーク日本語版編集長

とき

平成18年(2007) 4月5日(木) 12時〜14時

ところ

ANAインターコンチネンタルホテル 3階「雲海」

概要

米国大統領の行方と日米関係をテーマに第4回米国問題研究会。

内容

テーマ

 

「米国大統領選の行方と日米関係」

内 容

FEC日米文化経済委員会(委員長・徳川恒孝日本郵船(株) 顧問・徳川記念財団理事長)は4月5日、ANAインターコンチネンタルホテルに竹田圭吾 ニューズウィーク日本語版編集長を迎えて第4回米国問題研究会を開催した。FEC役員・会員を中心に多数が出席した。

開会に際して、斉藤邦彦理事長より、「米大統領選は既に過熱気味。日米関係は安泰とみられているが、北朝鮮問題を巡る日米のズレなど気になる。日本きっての米国、アジア通の講師から時に適った話を伺いたい」と主催者挨拶。竹田講師は「米国大統領選の行方と日米関係」をテーマに、候補者比較と就任までの日程、影響する諸要因、米国を巡る国際情勢など幅広く講演し、講演後出席者と活発な議論がかわされた。

閉会時に埴岡副理事長が、今後も講師に招くのでよろしくお願いします、と講師に謝辞を述べ閉会した。出席者は異口同音に今日の研究会は中身のある充実した内容だと感想が述べられた。

概 要

米大統領選まで1年7ヶ月。今年は公式日程なく、来年前半の各州予備選を経て9月の党大会で候補者が決まり11月の投票日を迎える。現在の有力候補は共和、民主各4名で、共和党はジュリアーニ、マケイン、民主党はクリントン、オバマの支持率が高い。

今回は、副大統領経験者(最も実績をあげたゴア出馬の可能性あるが)や過去の予備選勝利者がいない点、女性(クリントン)、アフリカ系(オバマ)、最高齢(マケイン)の点で、「前例なき」大統領選だ。ブッシュは宗教右派から距離を置いていたが、テロ以降右派・ネオコン寄りとなりイラク戦争を拡大、国民の支持を落とした。医療制度改革や地球温暖化対策への圧力も大きく、共和党はアイデンティティ危機に陥っている。

通常、景気情勢が大統領選を左右するが、今回はイラク戦争の出口戦略(駐留米軍対策)が最も影響しよう。68年の大統領選では、北ベトナムを敵とし、「名誉ある撤退」を掲げたニクソンがジョンソンに勝ったが、イラク戦争では大きな敵が存在せず明確な出口戦略がたてにくい。綱渡り状態で安定している景気、金利情勢もやはり影響しよう。環境問題への意識も急速に向上している。「温室効果ガスは大気汚染物質」とした最高裁判決があり、規制強化あれば選挙に影響する。イラク問題に多国間で協調できるか、国連との付き合い方、今年、来年の仏、英、韓、台、露、中の首脳交代や政策変動なども留意点だ。

対日関係では、2月にアーミテージ元国務副長官らの超党派グループが、2020年までの日米同盟についての2回目ともいえる報告書を発表した。知日派が新政権に再度入れば、現状懸念されている日米関係の空洞化や不安定性はなくなろう。

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