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ナルィシュキン・ロシア大統領府長官を招き瀨在幸安FEC副会長へのロシア友好勲章伝達式を開催

ロシア 日露文化経済委員会

2010年04月15日更新

伝達式後に開催されたナルィシュキン・ロシア大統領府長官歓迎朝食会では日本とロシアの関係強化に向けての意見交換を行う

ロシア友好勲章伝達式の開催風景

ロシア友好勲章伝達式の開催風景

瀨在幸安氏へ勲章を付けるナルィシュキン長官

瀨在幸安氏へ勲章を付けるナルィシュキン長官

ナルィシュキン長官を囲んでの歓迎朝食会開催風景

ナルィシュキン長官を囲んでの歓迎朝食会開催風景

ナルィシュキン・ロシア大統領府長官

ナルィシュキン・ロシア大統領府長官

とき

平成22年(2010)4月15日(木)8時30分〜9時45分

ところ

帝国ホテル東京「菊の間」

概要

平成22年4月15日(木)に瀨在幸安FEC副会長へのロシア友好勲章伝達式、ナルィシュキン・ロシア大統領府長官歓迎朝食会を開催

内容

民間外交推進協会(FEC)・日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)会長)は4月15日(木)、ナルィシュキン・ロシア大統領府長官を招き、FEC副会長で日露文化経済委員会委員の瀨在幸安元日本大学総長へのロシア友好勲章伝達式と歓迎朝食会を帝国ホテル東京で開催した。

最初に、瀨在副会長に対して、ナルィシュキン大統領府長官より友好勲章の伝達式が執り行われた。ナルィシュキン長官は、医療分野における同氏の功績を称え、受賞理由として露日間の学術交流の深化に貢献した点をあげ、更にはFEC副会長として両国間の戦略的パートナーシップ構築を積極的に推進したと述べた。瀨在副会長は「大変名誉ある勲章をいただき光栄。これまでのロシアとの関係を踏まえ、より一層日露の学術、文化の面で力を注ぎたい」と謝辞を述べた。

閉式後、今回で5回目となるナルィシュキン長官歓迎朝食会に移り、前日にアメリカで行われた日露首脳会談の結果を踏まえ、率直な意見交換が行われた。また、ナルィシュキン長官より3月23日に逝去された埴岡前理事長への哀悼の意が述べられた。朝食懇談会にはロシア側はナルィシュキン長官、ベールィ駐日ロシア大使、アヴデーエフ文化大臣、メーゼンツェフ・イルクーツク州知事ら9名、日本側は河野雅治駐ロシア日本国特命全権大使、内藤明人FEC日露文化経済委員会委員長・リンナイ株式会社取締役会長、都甲岳洋FEC日露文化経済委員会委員長代行・元駐ロシア大使、瀨在幸安FEC日露文化経済委員会委員・元日本大学総長、森元峯夫株式会社エスイー代表取締役社長、笹森清元連
合会長はじめFEC役員、法人会員が多数出席した。

なお、今回の催しは、リンナイ(株)、(株)エスイー、サクラグローバルホールディング(株)、医療法人社団永世会の協賛を得て開催した。

瀨在幸安FEC副会長に対するロシア友好勲章伝達式

 

【ナルィシュキン大統領府長官の祝辞】

メドヴェージェフ・ロシア連邦大統領の名において瀨在先生に友好勲賞を贈ることができ、光栄に思う。

先生は医学に人生を捧げて、偉大な成果を挙げ、自身の知識と経験を日本だけでなく、ロシアを含めた外国の学者と共有してきた。ロシアの有名な心臓外科医シマコフ教授も昔からの先生の友人だったと聞いている。先生が両国の戦略的パートナーシップの構築と、医療科学の相互発展に多大な努力をしてきたことを強調したい。

この友好勲章は先生の個人的な貢献と、我々両国民の友好と協力の深化に向けたFECの事業が高く評価されていることの証になると思う。先生に心からお祝いを申し上げると共に、両国の協力のため更なるご活躍を願っている。

メドヴェージェフ・ロシア連邦の大統領令を読ませていただきたい。『FEC副会長を務める瀨在幸安氏の露日関係発展への多大な貢献を認め友好勲章を授与する。ロシア連邦大統領命令2009年11月28日』

【瀨在幸安FEC副会長謝辞】

本日は大変名誉のある勲章をいただき、ナルィシュキン長官、メドヴェージェフ・ロシア連邦大統領、そして先般亡くなりました埴岡前理事長のご協力に対し深く感謝申し上げる。

私とロシアとの関係は、1971年のモスクワでの「世界心臓血管外科学会」開催時に、バイパス手術を発表したことに始まる。以来、多くのロシアの心臓外科医と親交を深め、特にシマコフ教授とは本当に公私共に深い親交を持っていた。ロシアとの交流は、人間の生命を守る心臓外科の分野から始まり、多くの方々の大変な支援の下で、次第に他の学術、文化の面でも微力ではあるが貢献できた。

これからもロシア並びに日本の学術、文化の面の関係深化に力を注いでいきたいと考えている。

ナルィシュキン大統領府長官を囲んでの歓迎朝食懇談会

 

【内藤明人FEC日露文化経済委員会委員長の主催者挨拶】

長官の来日は本年で5回目となる「日本におけるロシア文化フェスティバル2010」の開会式にご出席のためと聞き、両国の優れた文化交流を通じて、そこから経済交流と国民相互理解の進展にも寄与するものと敬意を表す。

本日の懇談会は、長官とのさらなる信頼関係の構築のため率直な意見交換の場となることを期待している。また、次回のご来日に際しては、再びFEC日露フォーラムにてぜひご講演を賜りたい。

ところで、本協会の創設者の一人であり、長年日露関係の発展に多大なる貢献をされてきた埴岡前理事長が去る3月23日にご逝去されたことを、この場をお借りしご報告申し上げる。埴岡前理事長は、憂国の士そのもの。今後は、埴岡前理事長の遺志を継ぎ、日露関係の発展に尽力していくので、長官には変わらぬご協力の程よろしくお願い申し上げる。

【ナルィシュキン大統領府長官のご挨拶】

定例になりつつある朝食会の場でご挨拶申し上げることを嬉しく思う。私達の関係が示すとおり、二国間協力は益々強化している。

関係強化の進展は首脳レベル、国家レベルでの会合ではなくて、民間レベルでの交流が発展しているという事実を示していると思う。

両国では石油、ガス開発部門での様々なプロジェクトが進行中であり、新たにエネルギーや運輸、建設といった様々な分野でのプロジェクトが始動している。グローバルな経済危機にも拘わらず、日本企業は積極的にロシアに投資している。投資先も地理的に広範囲に渡っている。我々が特に関心を持っているのは、所謂イノベイティブな経済に基づく経済体制における日本の知識や経験をロシアで生かせるということ。ロシアの経済が近代化に向かっている今こそ、最も重要なことである。我々の協力関係は互いの利益だけでなく、アジア太平洋地域全体の利益に応えると考えている。

埴岡前理事長の訃報に接し、心から哀悼の意を表したい。埴岡前理事長が成し遂げたことに対する敬意は我々の心に一生残る。露日関係は積極的に発展していると感じる。これもFECの力に因るところが大きい。

【都甲岳洋(株)三井物産戦略研究所特別顧問乾杯のご挨拶】

乾杯の挨拶にあたり、3つの思いを挙げさせていただきたい。始めに、瀨在先生の多大なる功成に勲章を授与されたことに対し感謝申し上げると共に心からお祝い申し上げる。第2に、錚々たる顔ぶれの大統領団がFECを訪ねてくださるのは、日本との関係強化重視の表れであり、心強く思う。日露関係が発展していくことは、両国のためになるとともに、アジア、そして世界の民間外交のためにもなる。今後益々重要性を帯びる両国関係構築に使命感を持って当たりたい。第3番目にFEC創設以来、日露関係の発展を願ってこられた埴岡前理事長が過日ご他界されたことを大変残念に思う。FECとして、埴岡前理事長の遺志を継ぎ、今後とも日露関係の発展のために努力をしていくことを誓う所存だ。

【懇談要旨】

ナルィシュキン大統領府長官:ロシアから日本を訪れる人数が年々増えている。日本との友好的な交流を進めたいと思う人が増えている証だ。

笹森清労働者福祉中央協議会会長:昨日、アメリカで日露首脳会談が行われ、年内に3回首脳会談が行うことが約束された。扱う問題は主に両国の領土問題で、鳩山首相からの真摯に話し合いを進めたいとの要望に対し、メドヴェージェフ大統領は難しい問題だが解決しようと答えた。大変期待をしたい。先程長官が触れたように民間レベルの積み重ねが極めて重要だ。この四島をめぐる民間レベルの努力は大きく2つあった。1つ目はビザ無し渡航と、友好の家。両国の国民同士気持ちが分かり合える貴重な機会となり成果が上がっていたが、残念ながら今は中断をされている。是非この再開についてご尽力いただきたい。 2つ目は65年前の日本の建物が今2つだけ残っており、これを保存していこうという動きが日本側であるので、ご賛同をいただきたい。もう少し昔だと、こういう話をすると大変なことになったが、率直に意見交換ができるようになったことを感謝する。

ナルィシュキン大統領府長官:私達も露日間で行われた首脳会談の成り行きを注意深く見守っている。国家レベルのコンタクトが頻繁に行われることに私達も関心を持っている。両首脳のこれからの議題はかなり幅広く、二国間、多国間関係の様々な問題を議論することが予告されている。その中でもアジア地域への協力に関する意見交換に期待している。
領土問題は歴史的な問題で、今回の訪日中に行われた外務大臣や官房長官との協議の際も、この問題をめぐって率直な意見を議論することができた。具体的な話の内容には今触れられないが、私が感じたのは、未だ冷静な雰囲気のもとでこの問題を討議することはできないということだ。我々がより開放的で信頼し合える関係になれば、この問題をより簡単に解決できると思う。

森元峯夫(株)エスイー代表取締役社長:私は若い頃からロシア文化に感銘と影響を受けてきた。ロシアという非常に広くて文化の高い大国がヨーロッパ、特にフランス及び東アジアという2つの大きな地域での関係を持ちながら発展してきたからではないかと思う。私は務省外郭団体の国際交流基金の委員をしており、文化交流には非常に関心を持っている。
私の聞くところでは、ロシアにまだ日本文化会館がまだ建設されていない。そういったことも含めてもっと文化的、人的交流を進めながら、両国の相互理解を深め外交問題を進めていければ幸せだと日頃から思っている。

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