ナルィシュキン・ロシア連邦大統領府長官を招き第100回FECロシア問題研究会・朝食会を開催=内藤明人FEC日露委員長が歓迎あいさつ
2009年06月23日更新
長官はFEC活動はロシアでも広く知られ高く評価されている、今秋のFEC役員との再会を楽しみにしていると答礼あいさつ。
とき
平成21年(2009)6月23日(火) 8時30分〜9時40分
ところ
東京ホテルニューオータニ「翠鳳の間」
概要
ナルィシュキン・ロシア連邦大統領府長官を招き第100回FECロシア問題研究会・朝食会を開催=内藤明人FEC日露委員長が歓迎あいさつ
内容
民間外交推進協会(FEC)の日露文化経済委員会(委員長・内藤明人リンナイ(株)取締役会長)は6月23日、来日中のナルィシュキン・ロシア連邦大統領府長官一行を招き、日露経済問題懇談朝食会をホテルニューオータニで開催した。ロシア側はベールイ駐日ロシア大使、メーゼンツェフ・イルクーツク州知事、シュヴィトコイ国際文化担当大統領特別代表、モルリャノフ首相府文化教育局長、ガルージン外務省アジア太平洋地域諸国局長らが出席。FEC側は埴岡和正FEC理事長、河野雅治駐ロシア日本大使、FEC副会長・日露委員長の内藤明人リンナイ(株)取締役会長、同副会長の瀬在幸安日本大学元総長、田中宏 (株)クレハ取締役会長他のFEC役員等が出席した。
FECは経済調査団派遣や、政府要人の講演会、在日ロシア大使館との定期協議の日露経協など19年に亘りロシアと活発な交流を行っている。2006年から毎年「日本におけるロシア文化フェスティバル」が開催されているが、今般同フェスティバル出席のため来日したナルィシュキン・ロシア大統領府長官一行との懇談朝食会を一昨年、昨年に引き続きFEC主催で実施した。
開会に際して内藤FEC日露文化経済委員長より、「日本とロシアは共に格言が多いが、国民の知恵の結晶と文化の豊かさを表している。ナルィシュキン長官の両国文化交流面でのご尽力に敬意を表する。私事だが当社の給湯製品もロシア国民に普及しており、両国関係発展に貢献できて嬉しく思う。河野大使、ベールイ大使以下のご臨席に厚く御礼する。日露関係強化に向けて、本日は率直な意見交換を期待したい」と主催者挨拶。埴岡和正FEC理事長の進行で懇談に入った。
ナルィシュキン長官:ロ日関係発展に積極的役割を果たしているFECの活動はロシアでも知られており、FECの努力に感謝する。昨年12月の訪日以来、日ロ関係はメドベージェフ大統領・麻生首相会談(2月サハリン)、プーチン首相訪日(5月)と大きく進展した。首脳会談の中身は濃く、政治、経済、文化交流の方向性が定まった。両国はアジア太平洋の安全保障上の重要なパートナー。両国は世界的経済危機に対し、G20の合意下で自国の政策を運営している。4年目の「日本におけるロシア文化フェスティバル」は両国関係発展に貢献している。多彩な行事、イベントが計画されており日本の観客の暖かい評価を期待する。
埴岡和正FEC理事長:前回の長官来日時にお願いした、「プーチン首相来日歓迎の日露フォーラム開催」は日程上無理であった。次の機会を期待したい。長官はFEC役員から人格、見識共に高く評価されており、今秋の再来日の時に是非FECの日ロフォーラムで、長官にスピーチをお願いしたい。メーゼンツェフ・イルクーツク州知事には、ガスプロム関連会社のソーガス社が調査中でFECもアレンジした、日ロ医療協力(病院建設計画)の面でご支援をいただきたい。
ナルィシュキン長官:今秋の東京でのFEC日露フォーラムへのお招きは喜んでお受けしたい。
メーゼンツェフ・イルクーツク州知事:PJの報告は受けた。両社は共同医療センター設立を熱望しており、実現すれば両国関係に大きく貢献する。今後も支援したい。イルクーツクには2001年日本の設備、医療技術を利用した大型医療センターが設立され、感謝している。
埴岡和正FEC理事長:FECからは日ロ医療協力に熱心な、心臓バイパス手術の第1人者の瀬在幸安FEC副会長・元日本大学総長や、医療機器メーカーのサクラグローバルホールディングス株式会社オーナーの松本謙一FEC理事を中心に本PJを推進する所存だ。
河野雅治駐ロシア日本大使:2日間長官とご一緒したが人柄、見識に強い印象を持った。駐ロシア日本大使として2ヶ月前に着任したが、平和条約締結に両国首脳は強い決意があり騒がしくなってきた。良い方向に向かうようガルージン局長とも協力して対応している。長官が強調されたように両国民の交流促進と生活向上が日本大使館の課題。医療、地方、文化面の交流推進が日ロ関係発展の力になろう。FECの支援もよろしくお願いしたい。
ベールイ駐日ロシア大使:この半年間は両国首脳の対話が進展し、議会交流、経済協力も発展した。プーチン首相は来日時に、「日ロは自然のパートナー」と強調した。現下の経済危機に対し、克服策や経済関係強化の努力を続けねばならない。医療センターPJ等の新しい提案を支持したい。7月の首脳会談で2国関係の一層の進展を期待する。
埴岡和正FEC理事長:ガルージン局長とは18年間一緒に日本各地でのFECフォーラムに共に出席し領土問題等の率直な意見交換の場として開催した。発展した今日の両国関係を考えると感慨深い。
<続いて埴岡理事長がロシア側出席者を紹介>
ナルィシュキン長官:「埴岡理事長に我が代表団メンバーを紹介していただき感謝する。日本におけるロシア文化フェスティバル」の訪日メンバーの肩書きは変わるがいつも同じメンバーだ。今後も変わらない。両国協力関係もこのように人的交流を基に発展させたい。
<埴岡FEC理事長が引き続き日本側出席者を紹介した後、内藤FEC副会長とナルィシュキン長官との間で記念品の交換が行われた>
田中宏 (株)クレハ取締役会長:日本にとってロシアは近くて遠い国。政治、経済、文化面の交流が世界の他の大国と比べて少ないからであろう。経済のみならず一般国民の交流が高まれば、経済文化交流が発展し、サンクトペテルブルグへの直行便開設も期待できる。
埴岡和正FEC理事長:オバマ米国大統領の初訪露を前に何かと多忙と思う。世界的金融危機の当事者の米国が、「百年に一度の危機」と他人事のように云うのはプロパガンダだ。今こそ世界を変える力を持つ日ロ両国が手を結ぶ重要性は大きい。そのためにも両国間の大きな政治課題の解決が何としても必要だ。政府間協議の進展を期待する。長官を迎えての今秋のFEC日露フォーラムを心からお待ちする。(平成21年11月を予定)
ナルィシュキン長官:暖かい言葉に感謝する。本日は充実した意見交換ができた。2国関係拡大に積極的努力をされてきたFECに改めて感謝する。FECの活動はロシアでは大変に高く評価されており、両国関係の一層の進展に良い結果をもたらそう。
(田丸 周FEC常任参与・(株)リケン常勤監査役・記)