今後のインド情勢と日印関係=外務省の渥美千尋南部アジア部長を招き
2007年03月08日更新
第44回FECインド問題研究会 FEC日印文化経済委員会
とき
平成19年(2007)3月8日(木) 12時〜13時45分
ところ
ホテルオークラ東京・本館11階「スターライト」
概要
今後のインド情勢と日印関係をテーマに第44回インド問題研究会。
内容
最近急速に高まる日本産業界でのインド熱を踏えて今日と今後のインド政治、経済の諸情勢と日印関係を正しく理解し対印ビジネス促進に際しての一助とする。
FEC日印文化経済委員会(委員長 藤田弘道凸版印刷(株)会長)は3月8日昼、ホテルオークラ東京において渥美千尋外務省南部アジア部長をゲストスピーカーとして招き近年関係が深まる日印両国関係を受けてインド情勢と両国関係に関して日本政府の対印外交政策も含めて話を聞き、昼食を挟んで出席のFEC役員、会員の企業代表者らが熱心に質問を行った。部長も個人的意見も含めて懇切丁寧に答えた。
開会に際して埴岡FEC副理事長が、最近の北朝鮮問題についての日米関係にもふれてあいさつ。続いて日印文化経済委員長代行の山田中正元駐印大使が、アジアにおける日本にとって重要な国のインドとわが国との関係が深化することは良いが、流行で終わらないためにもインドに対する理解を正しくすることが肝要と主催者あいさつ。埴岡副理事長の紹介で渥美部長が今後のインド情勢と日印関係をテーマに約50分の説明を詳しい資料に基づいて次のとおり(要旨)行った。
シン政権が発足したインド政情の経緯、そして各州での地方選の結果で地方政党が勢力を伸ばしている。インド経済はアジア第3位のGDPで中国の約40%、ロシアの1.2倍で平均成長率は8%以上と好調で、ITソフト産業は急拡大し輸出は5年で3億増加し、20歳未満の若年労働力が人口の41%を占めている。中間層も10年で1.5倍となったと述べ、一方で貧困対策、インフラ整備、マクロ経済対策等の課題もあると説明。インド外交にもふれ、インド外交は多極化しているが対米関係も重視している。日印関係は2年前の小泉首相の訪印、昨年12月のシン首相の来日と更なる関係強化に向けた政治、経済、人の交流などの各種施策の内容を説明した。続いての質疑応答も活発に行われ、経済特区での農民の反対運動の実情は、インドの対露、対米関係の現状は、インドの国連外交は、等々が質問され、一つ一つ丁重に部長が答えた。閉会に際し埴岡副理事長が謝辞を述べた。