第150回欧州研究会(スロベニア文化フォーラム)を開催
とき
2024年09月05日(木)
ところ
スロベニア大使公邸
内容
FECは9月5日、第150回欧州研究会(スロベニア文化フォーラム)をスロベニア大使公邸で開催した。はじめに松澤理事長が開会挨拶を行い、続いてユーリ・リフェル駐日スロベニア共和国大使が歓迎挨拶を行った。
その後グルドニック・ミハ広報文化外交オフィサーがスロベニアの文化に関するプレゼンテーションを行い、プレゼンテーション後は参加者全員で集合写真を撮影した。最後に大使館のご厚意により準備いただいたスロベニアの軽食やワインが振舞われ、参加者と大使館関係者が懇談を行った。
【大使挨拶】
本日、スロベニア共和国大使公邸にて皆様にご挨拶をできることを大変喜ばしく思っている。私はFECの皆様が、日本とさまざまな国際組織との間の結びつきを強化する為に、重要な役割を果たしてきたことを深く認識している。日本と世界各国との架け橋となる上で、FECは欠かすことのできない組織であるといえるだろう。FECの活動が、公的な領域で生み出される全てのものを見事に補完しているという事実は、高く評価されている。
スロベニアは古い国だが、同時に若い国でもある。さまざまな事情により、30年以上前に私達は独自の力で国際的な環境に参入することを決断した。この大胆な決断をした当初から、またその具体的な成果を経験する前から、私達はこの決定を疑うことはなかった。必要であれば、目標達成のために強い意志を持つことができる。これは私達の特徴の一つである。
スロベニアは、国際社会の建設的な一員として、国際平和と安全の為に真摯に努力してきた。スロベニアの国際政策の一貫性は、国連安全保障理事会の理事国に2度選出されたことでも認識されている。今年に入り、理事会の2期目が始まった。そして今月、理事会の議長国を引き継いでいる。
我々は、国益を遂行する一方で、EUとNATOの一員として国際的平和、安全、安定、協力に建設的に貢献することができると確信している。これら2つの組織への加盟は、我が国の国際的な政治的知名度、経済発展、安全保障を促進してきた。EUとNATO内部の結束と国際平和、安定、協力の支援における役割を強化するために、我々はこの2つの組織に引き続き最大限の努力を払うつもりである。同時に、これら2つの組織に対する愛着が、世界のさまざまな危機的状況に対する我々の国家的アプローチを鈍らせることはない。私達は、これら2つの組織が持つ価値観と原則そのものに導かれている。これらの価値観や原則は、日本の国際的な関与を方向づける価値観や原則と実質的に全て同じであるため、我々はEUやNATOとの間、そして日本との間の緊密な関係や協力の発展を大いに支持している。
スロべニアと日本は、30年以上前に制度的な結びつきを築いた。駐日スロベニア共和国大使館は1993年に、在スロベニア共和国日本大使館はその数年後に設立された。これまで私達は政治対話に限らず、ダイナミックな経済交流から学術交流、そして人的交流に至るまで、非常に強固な協力関係を築いてきた。喜ばしいことに、経済協力に関しても非常に前向きな発展が見られる。この協力の核となる要素の一つは、日本によるスロベニアへの投資であり、双方に利益をもたらすものである。私達は、この前向きな経験に基づいて、ビジネス・フレンドリーな環境を持つスロベニアへの関心が、日本企業の間でさらに高まると確信している。
ビジネス協力だけでなく、スロべニアと日本の強力な学術・研究協力も忘れてはならない。両国の学術・研究機関の間には数多くの連携が存在しているが、その一つが、つくば市にある高エネルギー加速器研究機構(KEK)へのスロベニアの科学者の関与であり、この協力関係はまもなく四半世紀を迎える。スロべニア政府は、同機構におけるスロべニア科学者の存在を後援しており、両国の科学的進歩に貢献している。
広域協力の重要な要素の一つに、観光がある。観光を単に経済分野の一つと見なすことはよくあるが、実際はそれ以上の意味を持つ。観光は異文化に触れることを意味し、その結果、他国民・自国民への理解と、他文化に対する理解が深まる。スロべニアはすでに多くの日本人観光客を受け入れており、全ての観光客がスロべニアに非常に良い印象を抱いて帰られる。
最後に、スロべニアと日本の素晴らしい関係が、今後もますます発展していくことへの深い信念を表明し、私のご挨拶とさせていただく。