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第16次FEC欧州経済事情等調査団が帰国

ポーランドブルガリア 日欧文化経済委員会

2008年10月12日更新

ブルガリアで大統領、首相は「FEC調査団の訪問は両国の活発な交流の一部、高く評価する」と熱く歓迎。ポーランドで副首相ら政府要人と会談。

パヴラク・ポーランド副首相経済大臣 (ワルシャワ)

パヴラク・ポーランド副首相経済大臣 (ワルシャワ)

パルヴァノフ・ブルガリア大統領を表敬 (ソフィア)

パルヴァノフ・ブルガリア大統領を表敬 (ソフィア)

スタニシェフ・ブルガリア首相を表敬 (ソフィア)

スタニシェフ・ブルガリア首相を表敬 (ソフィア)

とき

平成20年(2008)10月12日(日)〜18日(土) 7日間

ところ

ポーランド(ワルシャワ)、ブルガリア(ソフィア)

概要

第16次FEC欧州経済事情等調査団が帰国

内容

目 的

世界経済情勢が厳しい中にあって、両国と日本との協力のあり方について要人との意見交換及びインフラなどの調査。

概 要

FEC日欧文化経済委員会(委員長・藤田弘道凸版印刷(株)会長)は、内藤明人FEC副会長(リンナイ(株)会長)を団長とする第16次FEC欧州経済事情等調査団を10月12〜18日、ポーランド、ブルガリアへ派遣した。FEC調査団の両国訪問は2年ぶり。深まる世界的金融危機と景気減速への懸念が増大する中での訪問であったが、一行12名は両国でハイレベルの歓迎を受け、大統領、首相、主要閣僚等の政府要人や経済人との面談を実施した。特に、ブルガリアでは注目度が高く、多くのメディアから3度の取材を受けた。

調査団は、内藤団長以下、顧問に久米邦貞FEC日欧文化経済委員会委員長代行・元駐ドイツ大使のほか、化学、農業化学、電力、航空、食品、印刷、金融等の法人会員各社の関係者により編成された。

ポーランドは2004年、ブルガリアは2007年に夫々EUに加盟した。市場経済化に向けた民営化の進展には差(ポーランドは遅くブルガリアは略完了)があるが、好立地と低所得(ポーランドはEU平均の1/2、ブルガリアは同1/3)メリットから、両国とも外国直接投資の増加を原動力に6%台の高成長を記録するなど、EU加盟効果を享受していた。特に、国土・人口規模の大きいポーランドへの直接投資は旧ソ連東欧諸国中最大で、自動車部品、液晶テレビ関連の日系企業の進出が加速している。ブルガリアは工業基盤が弱く、日本企業の進出は病院、風力発電、地下鉄工事等まだ少ない。

両国の銀行は相対的に健全で金融危機の直接的影響は軽微だが、世界的に景気減速が深まる中、西欧の親銀行の経営状況次第では今後影響が出る懸念もある。
魅力的税制、経済特区など投資優遇措置も整備されているが、今後の投資を検討する際には、行政機関の課題(手続簡素化、透明性確保等)、EU基金を用いたインフラ整備計画の実行力、労働者の国外流出の顕在化(ポーランド2百万人、ブルガリア百万人)等に留意が必要だ。

エネルギーのロシア依存度が高い両国とも、旧ソ連諸国との関係強化を推進している。ポーランドはウクライナ(2012年欧州サッカー選手権共催)と、ブルガリアはクロアチア、トルコなどバルカン・黒海沿岸諸国と、夫々関係を深めており、潜在成長力が高い中・南東欧への中継地としての両国の優位性も注目される。

調査団は、ワルシャワ、ソフィアで政府高官、経済団体、日本大使、進出日本企業の代表者等と面談。マクロ経済動向、投資優遇政策、進出企業の実態・課題等の説明を受け、今後の企業進出を検討する際の貴重な情報を入手するなど精力的な調査活動を展開した。

【行程】

10月12日朝、成田空港特別室で結団式を終え全日空機で空路ロンドンへ。着後、ポーランド航空にてワルシャワへ。着後、ホテルの自室へ。(ワルシャワ泊)13日/午前=ビエニコフスカ地域開発大臣との会談、田邊隆一駐ポーランド大使主催の昼食懇談会、午後=グラバルチク・インフラ大臣との会談、ドミニク財務次官との会談、音楽鑑賞(同泊)。14日/午前=市内視察、午後=モルダシェヴィッチ民間経営者連盟顧問と会談、パヴラク副首相兼経済大臣との会談、日本人商工会幹部との夕食懇談会(同泊)15日/午前=ポーランド航空にて一路ソフィアへ。夕刻=ポポフ外務副大臣との会談、竹田恒治駐ブルガリア大使主催の夕食懇談会(JAICA、日本企業関係者同席)(ゾグラフスキー泊)。16日/午前=18総合学校訪問(日本語授業参観)、午後=スタレフ投資庁長官主催昼食会(元首相、産業連盟副会長同席)、新聞取材、ディミトロフ経済・エネルギー大臣と会談、新聞・テレビ・ラジオ取材、ディミトロフ経済・エネルギー大臣主催の歓迎夕食会(商工会議所会頭、産業連盟副会長同席)(同泊)。17日/午前=パルヴァノフ大統領を表敬訪問、午後=ルフティ国民議会副議長と会談、オレシャンスキー財務大臣との会談、スタニシェフ首相を表敬訪問、テレビ取材、ルフトハンザ機でフランクフルトへ。着後、全日空機にて帰国の途へ。18日/午後=成田空港着。

【団員】

団長=内藤明人リンナイ(株)
会長、顧問=久米邦貞元駐独大使、事務局長=田丸周(株)
リケン常勤監査役・FEC常任参与、団員=今田潔信越化学工業(株)
顧問、▽米澤泰治米澤化学(株)
社長、▽新井直樹帝人(株)
エグゼクティヴアドバイザー、▽長田博川北電気工業(株)
専務取締役総務本部長、▽前谷哲郎全日本空輸(株)
東京支店副支店長、▽中西英二味の素(株)
アミノサイエンス研究所長、▽星加啓輔凸版印刷英国(株)部長、▽増田尚宏東京電力(株)
原子力・立地業務部長、▽金子哲哉(株)
みずほコーポレート銀行海外営業推進部長、随行員1名

ワルシャワでポーランド副首相兼経済大臣らと

調査団は13〜14日のワルシャワ滞在中に、ビエニコフスカ地域開発大臣、グラバルチク・インフラ大臣、ドミニク財務次官、モルダシェヴィッチ民間経営者連盟顧問と夫々会談し、ポーランドの経済情勢、インフラ整備計画、金融危機の影響について説明を受けた。また、日本大使公邸で田邊駐ポーランド大使から昼食に招かれ、内政・外交・対日関係について説明を受け活発な質疑応答を行った。FEC主催の日本人商工会幹部との夕食会では現地進出状況につき説明を受け、意見交換を行った。パヴラク副首相兼経済大臣との会談では、投資環境、ユーロ導入、発電事情等についての説明を受け質疑応答を行った。

 

ソフィアでブルガリア大統領、首相に表敬訪問

一行は15〜17日ソフィアを訪問。15日のポポフ外務副大臣との会談では外交関係、投資有望業種の説明を受けた。日本大使館で竹田駐ブルガリア大使からブルガリア情勢の説明を受け、大使主催の夕食会には、JAICA、日本企業関係者も同席し、現地事情の説明を受け懇談した。16日に18総合学校を訪問し日本語授業を参観した。スタレフ投資庁長官との面談には元首相、産業連盟副会長も同席し、投資環境の説明を受け、長官主催の昼食会で熱心に懇談した。内藤団長及び久米顧問は現地新聞の取材に対し、日本の過去の金融危機の経験、投資環境の所感(「日本への心温まる理解を感じた。今後の投資を検討する際の支援材料となろう」)を説明した。ディミトロフ経済・エネルギー大臣との会談では、投資環境、エネルギー情勢の説明を受けた。会談後、新聞・テレビ・ラジオ取材。ディミトロフ大臣主催の歓迎夕食会には商工会議所会頭、産業連盟副会長等が同席し熱心に懇談した。17日はパルヴァノフ大統領を表敬訪問。大統領は「FEC調査団の訪問は両国の活発な交流の一部。来年1月の訪日で新しい頁が開かれよう」と歓迎した。続いてルフティ国民議会副議長、オレシャンスキー財務大臣と夫々会談し、両国関係、経済情勢、金融危機の影響等の説明を受け、質疑応答を行った。スタニシェフ首相は金融危機対策協議に忙殺され、表敬訪問は20分であったが、首相より、市場経済化への日本の支援・協力に対する謝意と本調査団の活動への敬意が表明された。テレビ取材を終え、一行は空港へ急ぎ、フランクフルト経由全日空機にて無事18日帰国した。

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