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デア駐日ドイツ大使が河野日欧委員長らFEC役員を大使公邸に招き昼食懇談会を開催し両国の友好関係増進の場とした

ドイツ 日欧文化経済委員会

2008年01月29日更新

デア大使とFEC役員が日欧関係強化のための率直な意見を交換した。第79回日欧経済等フォーラム

デア大使の発声で乾杯するFEC役員等出席者=大使公邸にて

デア大使の発声で乾杯するFEC役員等出席者=大使公邸にて

とき

平成20年(2008)1月29日(火) 12時〜14時

ところ

駐日ドイツ大使公邸

概要

デア駐日ドイツ大使がFEC役員を大使公邸に招き昼食懇談会を開催。

内容

テーマ

昨年の2月14日にFEC日欧文化経済委員会(委員長・河野俊二東京海上日動火災保険(株)相談役)主催の第61回FEC日欧経済等フォーラム・昼食会にデア駐日ドイツ大使をゲストとして招いた際、大使から「次回は当方がFEC役員を招き大使公邸で昼食会を催したい」との発案があった。今回はそのことによって大使主催により同公邸で催された。

内 容

旧大名の上屋敷であった大使公邸には立派な日本庭園が保存されておりその庭園を眺めながら昼食会の開会まで飲み物を舌鼓ながら大使と招かれたFEC役員が談笑した。続いて別宅の食堂に移り着席による昼食会に臨んだ。冒頭に埴岡FEC副理事長が出席の役員を一人ひとり紹介。引き続いてデア大使が歓迎あいさつにより昼食会が催された。

概 要

大使:1年前FEC日欧文化経済委員会の招きを受けホテルオークラ東京でのFEC日欧経済等フォーラム・昼食会でお話したとき、次回は私がお招きすると申し上げた。しかし、昨年はドイツがEUの議長国などいろいろ忙しく、1年が経ってしまった。今日こうしてFEC役員の皆様方をお招きできたことを大変に喜んでいる。

また日本語の上達については、日本語の上達と日本について勉強すること、この二つのうち後者を選ぶこととしたので、今日ではあまり上達していない。

ドイツと日本は自然(な関係)のpartnerであり、2007年は環境、安全保障、経済等いろいろな分野での協力が行われた。ただ、その良い関係がフルに生かされてはいない。しかし、高い可能性は残されている。両国の協力が進展すればそれはいろいろな問題にグローバルなベースで取り組み、そして進めることが可能になると考えている。

河野委員長:大使のご経歴を拝見すると法学など三つの大学を終えられた後、日本学を選考とあるが、その動機は何か?

デア大使:外務省には入る前1年間の時間があった。難しい言語を勉強したらとの父の勧めで日本語の勉強をすることとした。ただし、現代語ではなく古文や漢語などの古典である。

河野:昔ある地方ではドイツ語以外は話ししないところがあると聞いた事があるが今日のドイツはどうか。

大使:日本では英語学習は読む、書くが中心。英語の勉強の開始も12歳からでこれは遅いと思っている。ドイツでは10歳からであるし、人によっては6歳が良いという人もある。また、ドイツでの英語の先生は、英語圏に少なくとも一年の滞在経験が求められている。遊び感覚で他を理解するために外国語を勉強するのが良い。昨年ヨーロッパデイで日本の約2万人の中・高校生に我々EU圏の駐日大使が手分けして各学校で会ってきたが、そのとき私が外国語の話をしたら彼らは少ししり込みしていた(?)

河野:私がドイツ語を学び始めたのは18歳のときである。しかし残念ながら今はほとんど忘れてしまっている。

大使:ドイツ語は医学、法学、哲学などの分野で使われてきたと思うが、現在ではアングロサクソン的な文化が主流となってきているのではないか

瀬在:確かに医学の世界でもドイツ語は廃れ、英語が主流である。

河野挨拶:略(昼食会に招待されたことの謝意とFEC日欧委員会の活動概要・実績の一端を説明)

埴岡FEC副理事長:2月に我が国でG8財務相・中央銀行総裁の会議が開かれる。その際、人選はお任せするが、できれば外務大臣等G8関連で来日の閣僚を招きFECでの講演を頼みたいがどうか。

大使:スケジュール調整ができるかどうか、また外務大臣は京都での会議であるので東京都内での催しに出席は困難かも。ご提案はお聞きした。

大使:本日いろいろなこと、エネルギー、環境、金融、保健に付いてお話ができたらと思う。我が国では大連立政治であり、VATの3%の引き上げもしたし、外国人労働者の問題もある。こうした国内政治を基にした議論が有意義になるとも思う。
また国際問題もあり、双方を論議できたらと思う。これからはまず行動をしていくことが大切であり、イノヴェーションなくして社会の成長は無い。

埴岡:ドイツは東西ドイツの統一、ソ連など外国軍隊の撤収など戦後処理をきちんとした。我が国は在日米軍基地の存在を見てもまだ戦後が終わっていないともいえるが。

久米:外国語については、多様性の理解のために必要であるとの大使の考えが重要。また、米国との関係では、わが国は朝鮮半島情勢もあるので在日米軍の存在は必要。他方ドイツは冷戦が終結した。ただドイツは米国は自国の利害の観点から行動しているとして何でも言えるが、我が国は日本のための行動と考えているから何もいえない。ここに大きな違いがある。誰のために、何のためにかを考える必要がある。

田中:ドイツの政党のSPD、CDUの大連立の中で、原子力発電所の建設について協調できる方向は出てきているのか。

大使:解決済みではない。SPD、CDU、緑の党の意見がある。

ただ、新しくエネルギーを作り出すのではなく、我が国では2020年までに炭酸ガスの排出を20%削減、20%のエネルギー効率を高めるなどを目標として掲げている。ただ、原子力の力を借りずに実現はできないであろう。

井澤:20年後に原子力をゼロにするとの話は今どうなっているのか。

大使:我が国は日本と異なり、中東への油の依存度は日本より低い。安定的なエネルギーの確保も重要だが、効率化も同じように重要である。風力、地熱、太陽光など努力している。

日本はネジレ国会であるが、ドイツでは憲法に規定があり、こうしたことは起こらない。なぜ、自民と民主の連立の話が出てくるのか。

ドイツの大連立の理由は

(1)多数の確保の必要性。日本はコンセンサス重視で動いている。

(2)社会構造の変化。

(3)国際社会からの要請

からのものである。

野村:EUとロシアの関係はどうか。

大使:建設的な関係である。

(注) オフレコ発言は省略した。

出席者

河野 俊二 FEC日欧文化経済委員長・東京海上日動火災保険⑭相談役

岩下 誠宏 FEC副会長・(株)ADEKA名誉会長

瀬在 幸安 FEC副会長・日本大学前総長

田中  宏 FEC副会長・(株)クレハ取締役会長

ジャン・フランソワ・ミニエ FEC日欧文化経済副委員長・ドレスナー・クラインオート証券会社東京支店取締役 兼 日本における代表者 東京支店長ドレスナー・クラインオート アジア太平洋CEO

久米 邦貞 FEC日欧文化経済委員会委員長代行

野村吉三郎 FEC副会長・全日本空輸(株)最高顧問・前会長

北  修爾 FEC理事・阪和興業(株)代表取締役社長

新町 敏行 (株)日本航空取締役会長

重原久美春 経済協力開発機構元副事務総長

ホルスト・メルヒャー ドイツテレコム(株)代表取締役社長

神山  茂 (株)ジャステック代表取締役社長

井澤 吉幸 三井物産(株)代表取締役専務執行役員

蜂谷 哲也 FEC理事・さくらクリニック院長

成川 哲夫 興和不動産(株)専務取締役専務執行役員

岡田 修三 東京海上日動火災保険(株)特別参与

埴岡 和正 FEC副理事長・専務理事

前田 貴俊 FEC・民間外交推進協会企画事業部次長

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