ジャーナリストの富坂聰氏を迎え第50回FEC中国問題研究会を開催
2008年01月16日更新
「正念場を迎える中国の経済発展の行方とポスト胡政権の課題」をテーマに=中国株の暴落は?
とき
平成20年(2008)1月16日(水) 12時〜14時
ところ
ホテルオークラ東京・本館
概要
ジャーナリストの富坂聰氏を迎え第50回FEC中国問題研究会の開催。
内容
中国の政治、経済諸事情に詳しいジャーナリストの富坂氏をゲストスピーカに「正念場を迎える中国の経済発展の行方とポスト胡政権の課題」をテーマに、(1)昨秋の中国共産党大会から今年3月の全国人民代議員大会までの裏側、(2)物価上昇で正念場を迎える中国経済の不安要素を副題として。
今年初めての日中文化経済委員会主催のFEC中国問題研究会であり、開会に際して生田正治日中委員長(株式会社商船三井相談役)が、現在世界は産業革命に匹敵する大きな転換期に突入している。中国の国家運営は概ねうまくいっていると思うが、最近は様々な問題が発生しているので、今日は富坂講師から率直な話を聞く場とする」と主催者あいさつ。続いて埴岡副理事長の紹介を受けて富坂講師がテーマにもとづいて各種の出来事を挙げてその実態について詳しく説明を行ない、引き続いて昼食会の場で質疑応答を行った。
富坂講師は、北京大学中退で長年にわたり中国のウォッチャーとして活躍。多くの著書や月刊誌においても中国の諸問題について健筆をふるうなど若手の中国問題のジャーナリストとして注目されているだけに講演においてもそのことが理解できる中国社会の抱える諸問題を、日本ではあまり公表されていない補助金が地方財政支出総額に占める割合などの統計表も示しながら熱弁をふるい、食事もとることなく終始話し質問にも積極的に答えた。
昨秋の党大会で選出された新しいリーダーの選ばれた事情と人物像、今後の手腕の発揮具合など、中国社会が抱えている腐敗をメディアを積極的に使って一掃に当っている。中国の今日の政治体制が崩壊することは考えられないが、民主化は進む。豚肉の急騰などの物価上昇で中国経済の不安要素はさらに高まっている。国民は特に自分を守るために貯蓄を行ない、その貯金を切り崩し株を買っている。その状況のなかで中国の株価は明らかにバブルであり8000元まで値をつけることが考えられる。しかし限界でありバブルが崩壊したら民衆の不満は一気に爆発することが考えられるが、党や政府には市場のコントロールは難しい。
質疑応答では、新労働法の施行による外国企業への影響、人件費の急上昇、中国の納税の実態は、土地バブルの崩壊は、格差問題などについて出席のFEC役員と講師との間で行われた。
埴岡副理事長は、1月13日付の経済新聞1面で時価総額では中国企業が日本企業を上回るとの記事があったが現在の中国株式市場のバブル化の現状といつ大暴落するかわからないのであれば、中国企業の実力も不透明な点が多いと述べた。
[ゲスト] ジャーナリスト 富坂 聰 様
[FEC役員・会員]
生田 正治 FEC日中文化経済委員長・株式会社商船三井相談役
稲森 俊介 味の素株式会社特別顧問・社団法人アジア国際交流機構(AIS)理事長
田中 宏 株式会社クレハ取締役会長・社団法人アジア国際交流機構(AIS)理事
福澤文士郎 東亞合成株式会社代表取締役会長
三好 孝彦 株式会社日本製紙グループ本社代表取締役会長
岡崎 真雄 ニッセイ同和損害保険株式会社名誉会長
佐藤 晃一 株式会社ホテルオークラ社友・元会長
都甲 岳洋 三井物産戦略研究所特別顧問・元駐ロシア大使
渡邉 隆治 株式会社ニフコ代表取締役社長
神山 茂 株式会社ジャステック代表取締役社長
武井 宏 株式会社ボルテックスセイグン代表取締役社長
井上 聰一 株式会社イノアックコーポレーション代表取締役
尾崎 護 矢崎総業株式会社顧問・元大蔵事務次官
武藤 光一 株式会社商船三井取締役常務執行役員
古川 弘成 阪和興業株式会社専務取締役
荻原 大 キッコーマン株式会社顧問
針間 浩治 全日本空輸株式会社営業推進本部中国室長
山崎 善也 横河電機株式会社中国統括室部長
島尾 直道 キャピタル・パートナーズ証券株式会社取締役
[FEC本部役員等]
埴岡 和正 民間外交推進協会(FEC)副理事長・専務理事
前田 貴俊 民間外交推進協会(FEC)企画事業部次長
(敬称略・順不同)