ラオスのチュンマリー・サイニャソーン国家主席をお招きして第53回FECアセアン問題研究会を開催=日アセアン文化経済委員会
2010年03月04日更新
日本-ラオス両国関係の現状と今後の展望をテーマに講演
とき
平成22年(2010)3月4日(木)8時半〜10時
ところ
帝国ホテル東京「桜の間」
概要
3月4日(木)ラオスのチュンマリー・サイニャソーン国家主席をお招きして第53回FECアセアン問題研究会を開催した。
内容
民間外交推進協会(FEC)・FEC日アセアン文化経済委員会は3月4日、ラオスのチュンマリー国家主席を招き、歓迎朝食会・第53回アセアン問題研究会を帝国ホテル東京で開催した。昨年は日本メコン交流年で、FECは2月にアセアン経済調査団をラオスに派遣し、両国の経済交流促進に向けての意見交換をトンルン副首相兼外相と行ない、5月には来日中のブアソーン首相との昼食懇談会を実施するなど関係が深まっている。研究会にはラオス側はトンルン副首相兼外相、スリヴォン・エネルギー鉱業相、シンラヴォン計画投資相ら主要閣僚、外務省ほか各省高官、シートン駐日ラオス大使等が同席し、FECからは田中宏(株)FEC日アセアン文化経済副委員長・クレハ取締役会長、湯下博之日アセアン文化経済委員長代行・元駐ベトナム大使、岩下誠宏(株)ADEKA取締役名誉会長、松澤建(学)青山学院理事長、田波耕治(株)三菱東京UFJ銀行顧問・国際協力銀行前総裁、山口範雄味の素(株)代表取締役会長等が出席した。
開会に際して田中宏日アセアン文化経済副委員長・(株)クレハ取締役会長の主催者挨拶があり、チュンマリー・ラオス国家主席より、ラオスの経済情勢、投資環境と日本への期待等が述べられた。続いて、湯下博之FEC日アセアン文化経済委員長代行・元駐ベトナム大使が、「昨年5月のブアソーン首相との昼食懇談会で貴国の日本に対する期待と重視を実感した。FECは貴国とアセアンの繁栄に貢献したい」と挨拶。双方の出席者紹介のあと、朝食懇談会が和やかに行われた。
昨年、FEC調査団で貴国を訪問、トンルン副首相兼外務相及びシンラヴォン投資計画相と
意見交換を行った。日・ラオス投資協定が締結されているが、日本の対ラオス投資の拡大発
展には、法令や政策の一貫性・透明性の向上、規制緩和や許認可手続の簡素化、インフラ
整備などが必要。両国の友好関係の発展、貿易・投資等の拡大、教育・文化の交流促進を願
うと共に、チュンマリー国家主席の御健勝を祈念する。
FEC朝食会にお招きいただき感謝する。外交55周年祝賀行事に出席する今回の訪日は歴史に残る。天皇皇后両陛下、皇太子御夫妻、鳩山首相と面会した。両国関係は友好。日本は91年以降毎年1億ドル前後援助するトップドナー。インフラ整備、社会開発、人材育成(日本研修、専門家派遣)に貢献。官民交流も盛んで感謝する。ラオスは第6次5ヵ年計画に取り組み中。金融危機の影響は軽微で昨年の成長率は7.5%。持続的経済発展を目指し、貧困削減、農業開発、水力発電、鉱物資源開発、安全な水供給、村の合併、希少動物保護や森林保全を推進中。世界遺産等の観光開発も有望分野。法整備や規制緩和による投資環境の改善を進める。日本の民間投資はまだ低く資源開発等への投資拡大を期待する。
岩下誠宏(株)ADEKA取締役名誉会長:昨年来官民の日本・メコン交流は進んでいる。監視カメラ企業の進出例は知っているが、日本企業のラオス投資の有望分野は。
シンラヴォン計画投資相:ボーキサイト(三井物産)、銅(双日)、植林(王子製紙)、靴製造、靴下縫製等の投資がある。来年からの第7次5ヵ年計画では道路、送電線、保険等600事業の誘致を計画している。
松澤建(学)青山学院理事長:国作りには良質な教育が必要。教員、学生の交流を推進し両国関係を深めたい。シートン大使のご協力もお願いしたい。
ソマート公共事業・運輸相:ワットタイ国際空港施設内の日本企業の事業は順調だ。
(閉会後、田中宏(株)FEC副会長よりチュンマリー国家主席へ記念品が贈呈され、別室で出席者一同の記念撮影が行われた。)
(田丸周FEC常任参与・油研工業(株)常勤監査役・記)